5834人が本棚に入れています
本棚に追加
だからこそ弱点を突いても俺は一切罵倒されない訳だ。
本当酷い世界だ。どんだけアテナに甘い世界なんだよ・・・。
人だけではなく世界にも好かれるというのか?
しかし、目の前にいる妖狐は容赦なく俺の弱点を突いている。
悲惨な奴隷生活を送ってきた故の、生き抜くための知恵として身に付けたんだろう。
もしかしたら、その事で罵倒されてきた経験すらあり得る。
そしてアテナが言いたいのは、「今現在俺の弱点を突いている妖狐は卑怯者だから、こちらもそれ相応の手段を取るべき」、だと言うことだ。
.....なるほど。一応、こちらにも大義名分はあると言う訳か・・・本当、大人の世界は汚いぜ!
決心した俺は、アテナの助言に従わせてもらう。
別に妖狐を卑怯者だとは思っていないが、兆しが見えた以上はそれを利用させてもらう。
・・・。
早速行動に移る。
符を避けながら、そのタイミングを図る。
そして・・・
「造形魔法!」
一瞬のタイミングを見計らって、地面に手を付け一気に簡素な盾を二つ作り上げた。
「むむむ!?そ、それは魔法なのではないか?」
「その通り。魔法だな」
「魔法だな、ではないのじゃ!使わぬ約束であろう!」
妖狐は、約束が違う!、とぷりぷり怒っている。その姿も美しい。
最初のコメントを投稿しよう!