第78歩目 はじめての決着!妖狐と二人っきり⑨

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だからこそ弱点を突いても俺は一切罵倒されない訳だ。 本当酷い世界だ。どんだけアテナに甘い世界なんだよ・・・。 人だけではなく世界にも好かれるというのか? しかし、目の前にいる妖狐は容赦なく俺の弱点を突いている。 悲惨な奴隷生活を送ってきた故の、生き抜くための知恵として身に付けたんだろう。 もしかしたら、その事で罵倒されてきた経験すらあり得る。 そしてアテナが言いたいのは、「今現在俺の弱点を突いている妖狐は卑怯者だから、こちらもそれ相応の手段を取るべき」、だと言うことだ。 .....なるほど。一応、こちらにも大義名分はあると言う訳か・・・本当、大人の世界は汚いぜ! 決心した俺は、アテナの助言に従わせてもらう。 別に妖狐を卑怯者だとは思っていないが、兆しが見えた以上はそれを利用させてもらう。 ・・・。 早速行動に移る。 符を避けながら、そのタイミングを図る。 そして・・・ 「造形魔法!」 一瞬のタイミングを見計らって、地面に手を付け一気に簡素な盾を二つ作り上げた。 「むむむ!?そ、それは魔法なのではないか?」 「その通り。魔法だな」 「魔法だな、ではないのじゃ!使わぬ約束であろう!」 妖狐は、約束が違う!、とぷりぷり怒っている。その姿も美しい。     
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