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「女の子の中で、私だけが夏生くんの素顔を知ってるって特権、奪わないでよ。こんなにかっこいいんだ、ってバレちゃったら夏生くんモテちゃうし、そんなの嫌だからね!」
平井さんの言葉に、俺は自分の顔がどんどん真っ赤になっていくのが分かる。
こんな男らしくもない、変な仮面つけた奴でも、いいのか?
もし、もし俺なんかでも平井さんの隣にいることが許されるなら。
「俺、これからもずっと、平井さんのこと笑わせてあげるから」
「無理のない程度にね」
二人で手を握りあって見つめ合って、笑う。ただそれだけのことが、凄く幸せで、満たされる。
平井さん、俺はきみの前ではもう、仮面なんてつけないよ。そんなものをつけなくても、きみは俺のことを見てくれるから――。
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