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そんなある日、物凄いどしゃ降りの放課後の帰り道。小さな犬を見つけた。母親らしき犬もいない、野良犬だった。
こんな雨の中じゃ風邪を引くと鞄の中からタオルを取り出して、拭くために抱き上げようと手を伸ばした俺を、犬は震える体で威嚇した。
『えっ、な、何? 何でっ!?』
何もしない、怖くないよとアピールするために笑顔で手を広げているにもかかわらず、犬は態度を変える様子はない。
そんなときに雨に混じって小さく、笑い声が聞こえた。
振り向いた先にいたのが――平井さんだった。
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