出会い

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出会い

あれは今から3年前……だったかな ジメジメした地下牢、あの日のボクは他に誰1人いないそんな地下牢に捕まっていた。 過去にはここにも色々な蟲力者の子供が居たらしいけどボクは1人──他の子は皆連れていかれたと看守の零した愚痴で分かった、そしてここはとある富豪の屋敷らしく子供の蟲力者を捕獲しては蟲力を研究する者や蟲力者をコレクションする変質者に売っているらしい。 誘拐される際に頭を強打したのかボクに過去の記憶はない、ここに入れられてからの記憶だけがある。 それが数日前なのか数ヶ月前なのかは分からないけど──だけどこれだけは分かっている。 「来るんだ」 幼き日のシンジは1人の軍人のような男性に腕を掴まれ牢の外へ連れ出されると牢の外で待機していた白衣の男性がシンジの腕を見る。 「208号、よしこれは良い材料になる」 その言葉がどう言う意味かはシンジが一番よく知っていた。研究材料ということはそのまま解剖や実験に使う要はモルモット──いや、それ以下の扱いなのだという事を。 ここに居るボクは売り物だ、買値がつけられ標本にされるか研究用の商品か──少なくともこんな所にいては残りの命なんて限られている。     
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