クラスタ

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 しかし、そこに子どもは含まれない。  子どものまだ未熟な価値観や考え方では、そのガイアにエラーをきたしてしまうかもしれないからだ。  空気を読み、世間体を気にしていた大人たちからすれば、無邪気な子どもたちは、あまりにも不安定だったからだ。    また、もともとこの平等主義の持ち主は子どもだったのだから、クラスタに含む必要性がないという意見もあった。  それが巨大なクラスタの、大人たち全員のそろった答えだった。  クラスタとなった大人たちは、一つの思想、平等主義の下人間生活を営む。  一見、バラバラに思えるそれぞれの暮らしは、平等のために行われている。  もはや、何のための平等かは問われない。  それを疑問に思う大人がいないからだ。
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