ふたりぼっちの恋人

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ふたりぼっちの恋人

 私は知ってるからね。君が頑張ってきたことを。  学校って、色々と不自由だ。学校じゃなくても、どうせ大人になって仕事するようになっても不自由なのだろう。だって、人は強がり続けなきゃいけないのだから。  他人に弱いところを見せるわけにはいかない。例えば、クラスで"弱い人"というレッテルをくらってしまったらもう見下されるしかないのだ。自然に、数十人の鳥かごの中に溶け込まなければいけない。そうしないと、生きることさえ難しくなってしまうのだから。  でも、それでも、やっぱり人はどこかで弱い部分を見せてしまう。そもそも、学校自体が残酷な場所なのだ。国語、数学、英語、体育、音楽、美術……そのどれもが強い人なんていないのに、ある程度の"できる"を要求される。絶対、どこかで弱い部分があるのに、そしてそれを誰にも見せたくないのに、学校は無理やりそれを引っ張り出そうとしてくる。
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