ふたりぼっちの恋人

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 だからこそ、その"弱さ"を受け入れてあげたい。だって君は頑張ってるから。"弱さ"は"弱さ"でいい。それが君を受け入れるということだ。  君は絶対に見せないけど、泣いていいんだよ。私がいるから。私しかいないから。  学校という箱庭の中では、身も心もひとりになんてなれない。でも、こんな時間の、こんな場所なら、この箱庭にも静寂が生まれる。  私は受け入れよう。君の恋人として、ずっと寄り添ってあげよう。だから、こっちにおいで。抱きしめたいから。ね?  ここなら、強がりなんて要らないんだよ。私の前だけなら、そんなのは要らない。ずっとただ、そばで寄り添ってあげたいだけ。  あれからずっと、私は君が好きだ。だから、今日もこうやって君といる。明日だって、明後日だって、いつだって、私は一緒にいるよ。一緒にいるのに理由なんて要らないよ。いつも身も心も君と一緒がいい。私の中に君が刻まれているから。ただそれだけだ。  でも、寄り添うだけじゃなくて、頼ってもほしいかな。ずっと頑張り続ける必要はないんだよ。君が頑張るなら、私だって頑張りたい。頼ってほしい人がいるってことも忘れないでね。  うん。別に君は何も言わなくてもいいよ。いつでも大丈夫。話したかったら話していいから。「ごめんね」もいらないから。私の前では、「平気」もいらないから。  だから。これだけ言わせて。  ――――頑張ったね。
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