Another story 大切な人

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あれから数日経って、要の容態は悪化していった。咳は止まらないし、発熱もあって2日間休むこともあった。要の熱が引いた次の日の朝、嶺亜は口を開く。 「先生…やっぱり病院行った方が……」 嶺亜がそう言うと、要は笑いながら口を開く。 「大丈夫だって。風邪引いたんだよ…きっと。」 「……でも…」 「あ、そろそろ行かないと。お前もちゃんと学校来いよ?行ってきます~!」 そう言って、要は家を後にした。嶺亜は不安を抱きながら学校に行く支度をして、家を後にした。 嶺亜は学校に着いて、すぐに陸の元に行った。 「陸、おはよ。」 「あ、嶺亜。おはよう。数学の宿題やったか?」 「あぁ。今回の難しかったよな…まぁ、すぐに分かったけど。」 「お前の頭どうなってるんだよ。マジでおかしいって!」 陸と他愛もない会話をして笑い合う。陸と話していると、自然と要のことを気にしなくなっている。少し安心した時、教室のドアが開く。 「お前ら席に着け~…」 要が教室に入ってきた。少し顔色が悪い。 (…先生、顔色悪い…。大丈夫かな?) 嶺亜が不安に思いながらも、ホームルームと授業は普通に始まった。 授業が終わり、要は教室を出て行った。嶺亜は気になって、陸を連れて要の後を追った。そして小声で話をする。 「先生の顔色が悪い?ただの風邪じゃないの?」 「いや、先生2日間熱で寝込んでいて、それからずっと咳続いているんだよ?さすがにおかしいって…」 「うーん…そう言われると、確かに変だな。」 そう話し続けていると、要が職員室に入っていった。二人はしばらく間をおいてから職員室のドアをノックして入る。 「失礼します。佐々木先生いますか?」 嶺亜がそう言うと、要が自分の席から立ち上がって二人の元に近寄った。 「…お前ら、どうしたんだ?授業で分からないところでもあった…?」 二人は少し焦りながら話を合わせた。 「は、はい。授業でよく分からなかったところがあるので、教えてほしくて…。」 「そうか…いいよ。どこが分からない?」 「えーと……」 その時だった。要が突然、喉を抑えて苦しみ出した。 「…が…はぁ……あぁ…い…きが……」 「先生!?」 「……ぐ…ぅ……くる…し……」 そして、要はそのまま倒れた。周りの先生方も要の様子に気づき、病院に連絡をした。しばらくして救急車が来て、要は運ばれて行った。
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