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「おい、逃げちまったぞ。勇者じゃねえのか?」
俺が心配してやったら、販売員はこう言うわけだ。
「魔王様ご心配なさらずに!彼らは準備ができ次第、すぐ戻ってきます!せいぜい残り数秒の魔王人生を謳歌することをおすすめ致します!」
ニコニコしているが、内心激しい怒りを抱えている顔だ。態度に出ている。
「なあ、俺は自分がしょうもないサラリーマンだとしか思ってないんだが?どういうことか教えてくれ?俺はそんなひどい魔王だったのか?」
「まったく都合がいい頭ですね!それはもうひどい魔王でしたよ!私達がもともといた世界は、あなたのひどい攻撃で破壊しつくされてしまいました!私は魔王を倒す為に勇者になってくれる子供を見つけ育成したのです。成果はありました。立派な勇者になった彼らは、あと一歩のところまで魔王を追い詰めたのです。しかし、魔王は次元を超えて、この池袋の街に逃げてしまった」
説明してくれるんだよ、この販売員は!まったく、よくできた販売員だ。コンビニの店員みたいな白いエプロンの格好してるが、こいつは何もんなんだろう?
俺が疑問に思っていると、何やら地下街の天井がミシミシいってやがんのよ。うあ、これ崩壊する?と思ったのもつかの間、一気に崩壊してでかい手が出てきた!
でかい手につかまれた俺は、そのまま持ち上げられたよね。
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