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池袋駅の地下街で勇者の移動販売をやっている女に出会ったんだ。女はステゴザウルスの背中に生えた勇者を売っていた。
池袋の地下街にステゴザウルスがいること自体もおかしいのだが、背中のとげとげみたいなところから勇者が生えている光景は、もっと狂っていた。
俺は、いつも通り池袋駅で降りて会社に向かう途中だったんだ。夏用のワイシャツを着た何の面白みもねえサラリーマンの俺の前に、目の前の異様な光景は刺激が強すぎてな。思わず足を止めて見入ってしまったんだ。
ステゴザウルスの背中から生えている勇者らしき生き物は確かに人間っぽい。確かに勇者らしき格好をしている。背中に乗っているというよりは、生えている感じなんだ。ステゴザウルスの背中のとげが変化して、赤、青、黄、緑の勇者らしき人間に変化している感じ。人のように見えるその物体はいずれも目を瞑っている。
どういう仕組みなのだろう？俺は好奇心にかられて、思わず販売している女に語りかけた。
「ステゴザウルスの背中から勇者が生えているように見えますが、これは何ですか？」
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