赤い勇者

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「俺は赤い勇者だ!赤は情熱の色!俺の魔王を倒すという情熱がてめえを焼き焦がす!魔王、てめえは死ぬべき野郎なんだ!燃えて死ね!」 ああ、なんて勇者だ。とても言葉遣いが悪い。俺は遠退いていく意識の中で赤い勇者の悪態をしっかりと耳にした。 ああ、全身が燃えてつらい! つらい。はずだが。 どうしてか、死なない。 死なない俺を見て、赤い勇者が怒鳴る。 「おう販売員!てめえの剣の性能が悪いんじゃねえか?魔王燃えてるが死なねえぞ!勇者の剣で魔王は死ぬもんだろ?そういうもんだろ?魔王なんて勇者に殺される人生しか歩めねえもんだろ?なあ、生まれながらにして選ばれた赤い勇者の俺の剣が効かないなんてことはないはずだ!」
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