序章 

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私の可愛くて、優しい愛おしい妹。 子供の頃から、人気者でいつも周りには人が集まっていた。 2つ上である私も隣の家に住む幼馴染もそんな彼女が好きだった。 このままの生活が続くのだと感じていた。 しかし、妹が高校1年生になってしばらくした6月、彼女は?を赤く染めながら私に言った。 「美羽ちゃん、私、好きな人に今日、告白したんだ。それで…付き合うことになりました」 照れながら言った妹が可愛すぎて見惚れていた時に、衝撃な言葉が耳に入り我に返った。 「そ、そうなんだ。…おめでとう」 なんとか笑顔を作り、妹に祝福の言葉をかけた。 最近、見た目を気にしてなかった妹がリップをし始めたり、体重計を引っ張り出して測ったりしていて可愛いなと思っていたが、それは好きな人ができた予兆だったのだ。 妹の話を聞いていくと、相手は1つ上の部活の先輩のようだ。妹は陸上部で、真面目で面倒見のいい彼にアドバイスをもらっていくうちに好きになったようだ。 まだ、妹に初めて彼氏ができた事実が受け入れられず、心臓が勢いよく鼓動を打っているのがわかるくらい私は動揺していた。 「明後日部活が休みだから、放課後にデートするんだ」 とても嬉しそうに話す妹に癒されながら、私は心に強く決めた。 (妹の初デート、尾行して相手の本性を突き止めてやるわ!)
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