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「なんで、私に言ってくれなかったの!」
「美里に口止めされていたんだよ」
頭を掻きながら、タマは溜息をついた。
「それに、妹の恋愛まで口を出すなよ。もう高校生だぞ?好きな人の一人や二人いるだろ」
「私は…いないもん。タマはいるの?」
小学校の頃はよく妹の部屋に遊びに来ていた。中学校の時は妹と学級委員をやり、有志の文化祭実行委員会もやっていた。高校も妹と一緒に学校を選んだ。
そこまで一途に追ってきたのに妹の恋愛をどんな気持ちで協力していたのだろう。
その気持ちを覗いてみたくてなんとなく聞いてみたが、タマはニヤリと笑って、私の頭をなぜまわす。
「さぁな」
「やめてよ、背が高いからって!…ていうか、明日の放課後は暇?」
こいつ絶対バカにしていると思いながら、タマをにらみつけながら八つ当たりするように言った。
「はぁ?…暇だけど」
なぜか驚いたように手を止めて、タマは答えた。
「明日、付き合って!」
タマは戸惑うような顔をしたのは分かったが、事情を話す再び溜息をつきながら了承した。
これで尾行の仲間もできたと思い、お弁当を食べる。もう少し風に涼んでからいくというタマを置いて、私は屋上を後にした。
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