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第2章
時はすぐに過ぎて、翌日の放課後。
タマと正門で待ち合わせをして、妹と彼をこっそり待った。
「あっ、来た」
妹が茶髪の男子と歩いてきたのが目に入り、近くの木の影に隠れた。
彼氏をよく観察すると、人の好さそうな、穏やかな雰囲気の人だった。
背は妹より少し大きいぐらいで、二人はすごく楽しそうに微笑んでいる。
「よし、尾行するわよ!」
「はいはい」
二人から6メートルぐらい離れた後ろを歩き始める。
「茶髪なんてチャラいわ。妹と手をつないでいるのも、気に食わない」
「あのな、茶髪なんて普通に染める人は多いし。付き合っているんだったら手をつなぐのは普通」
「そうかしら」
じっと前の二人をにらめつけながら言う。
すると、妹たちは公園に入っていった。
この公園はよくデートスポットとして知られる場所で、公園内にはクレープ屋もありおいしいと評判だ。
「美羽」
「え!」
急にタマに手を握られて声をあげた
「声大きい」
「なんで、私とタマが手を握らないといけないのよ!」
声を小さくして、タマに怒る。
「ここはこの辺では有名なデートスポットだろ?…カップルっぽくしてないと怪しまれるぞ」
「そ、そっか。わかった」
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