第2章

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不思議に思いながら返事をすると、タマは立ち上がって私を見下ろした。 「その相手、俺じゃダメ?」 「え?」 一瞬、どういうことか分からなくて、タマを凝視する。 タマは顔を真っ赤にして、こちらを見つめた。 「え?…だって、美里のことが好きだったじゃないの?!小学校、中学校、高校、ずっと妹と一緒にいたじゃない!」 そう言う私に、いつもようにタマは溜息をついた。 「あのさ、それってさ、美羽とも一緒にいたってことにならない?」 「え?」 (そういえば、いつも最終的には私もそばにいたような…。中学からはリビングで妹といたし…) 「ねぇ、美羽」 「は、はい!?」 甘い声とともに、優しくタマの腕に包まれる。 「俺の心臓の音が聞こえる?」 耳をすませると、タマの心臓の鼓動が早いのがわかる。 (本当に、私のことが好き…?) そう思ったら、顔がどんどん熱くなってきた。タマの心臓の音だけでなく、包まれているガッチリした体も、昔よりも筋肉のついた太い腕も、タマの男の部分を全身で感じて、ドキドキが止まらない。 「美羽、俺はずっとおまえのことが好きだよ」 ぎゅっと強く抱きしめられて頭が混乱する。この状況に困っている自分と、安心して心地よいと思っている自分がせめぎ合う。 頭が混乱している中、優しく頭を撫でられ、何も考えられなくなる。 「今は、俺を男として意識してくれたらいいよ。何年も思ってきたから、返事も待てる」 「な、なんで」 「うん?」 「美里みたいに綺麗で頭もよくないのに、なんで私なの?」 「それは…」 少し顔を離して、私たちは互いに見つめ合う。 「ちょっと!タマ!美羽ちゃんにくっつきすぎ」 横から声が聞こえたと思ったら、思いっきり引き離された。 「玉木、ごめん。美里ちゃん止められなかった」 私を引っ張った美里の隣には、手を合わせて謝る彼氏の姿があった。
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