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私は突然確信した。私の暮らしているこの町には二百万人のテロリストが潜伏している。
そう認識した瞬間に私の体は震えだし、立っていられなくなった。私はへなへなとその場に膝から崩れ落ちた。その時にちょうど洗っていた皿はシンクへ落ちて、派手な音を立てた。
かつてない恐怖と絶望感に襲われながらも、私はどうにかリビングまで這っていき、ソファーに横たわった。
思考が可能な冷静さを取り戻すまでに数十分がかかった。落ち着いてきて最初に感じたのは足の指先の痛みだった。触れてみると信じられないくらい冷え切っていた。手の指の先も同様だった。私はソファーの上で膝を立てて座り、そろえた手と足の指の上に、お尻の下から引き抜いたクッションをかぶせて温めようとした。
ほとんど自動的に行われた生理的な自己防衛だった。そしてその身を守る行動のおかげで、私は自分を守る、ということに意識を働かせられるようになった。
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