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私は自分の身を守るため、考えを巡らせる。テロリスト、とはどんな連中で、なにを目的とし、なにをするつもりなのか?
まったく想像がつかなかった。荒唐無稽な想像のように思えた。しかし私の確信は揺らがなかった。この町に潜む二百万人の存在は確実だった。
けれど、そもそも東京などの大都市ならばともかく、なぜこんな地方のなにもない町に二百万人ものテロリストを配置する必要があったのだろう?
気になって私は机の上のスマートフォンに手を伸ばす。それから検索ウィンドウに文字を打ち込む。指の動きはまだぎこちなかったが、手元で作業する程度のことができるまでには回復していた。
去年行われた市町村別の人口、世帯数の調査結果によると、この町の人口は三万とちょっと。県全体の人口が五百万人だから、県の人口の四十パーセントほどがこの狭い町のどこかに潜伏していることになる。
これはどう考えたって不自然で、現実ではあり得ないことだ。しかしどれほど現実的でなかろうとも、私がこの現実を確信している以上、揺るぎない現実であることもまた現実だった。
よし!
現実であることはここに証明された。
ならば今私にできることは対策を練ることだ。
その為にはまずテロリストたちの目的を知る必要がある。奴らはいったいなんのためにこの町に潜伏を?
しかしこの町でできることなんてたかが知れてる。
いったい、この町にテロリストが潜むメリットとは、なんだろう?
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