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僕は両手に、バニラとチョコのソフトクリームを持って、カバネさんにそれらを見せた。
「ほら、カバネさん。約束のソフトクリームですよ、どっちがいいですか?それとも2人で半分こにしますか?」
不貞腐れていたカバネさんは、チラリとこちらを見て、ソフトクリームを持つ、僕の両手を掴んで引き寄せた。
「ちょっ、危ない!」
「これは両方とも、俺の!ヤシンにはあげない」
そう言って、2つのソフトクリームの先を、ぱくりとぱくりと食べた。
「…バニラが、一番好きかも…おいし」
呟きながら、カバネさんは口元に付いたクリームを、指で取って、その指をしゃぶった。
ああああああああぁぁぁ。
また始まったぞ、天使カバネが僕に攻撃を仕掛けてきた!!
「また落とすと、嫌だから……そのまま、持ってて」
「いや、でも、それだと、溶けてくるし…僕がひと口も食べられない…じゃないですか」
僕がそう言うと、カバネさんはチョコ味の方を、ぺろぺろと舐めて、その後に、僕に口づけしてきた。
「!!!!!」
「…ちょっとは味した?ヤシンには、これしかあげない」
カバネさんは上目遣いにそう言って、再びソフトクリームをぺろぺろと舐め始めた。
神様、これは一体なんの罰ゲームなんでしょう!
僕は今、すっごく鼻血吹きそうです!
こんな時は、遠い異国の地の念仏とかを唱えれば、なんとか耐えられるだろうか…
僕は心の中で、なんちゃって念仏を唱えた、けど
「あ、クリーム溶けてヤシンの手にっ」
そう言って、カバネさんは僕の指を一生懸命舐め出して…。
くっ、可愛い…可愛すぎる
その後、ヤシンは己自身と闘い続け、鼻血吹き出しを堪えたものの、理性は抑えられず、ソフトクリームをカバネが食べ終わったと同時に、襲いかかって、カバネに3日ほど口をきいてもらえなかった。
カバネさんにあげるお菓子は、色々厳選しないと!僕はまた一つ学習した。
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