飽きられたその後、「魔王はそこまで強くなかった」

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飽きられたその後、「魔王はそこまで強くなかった」

自分の意志で生活、とのことでしたが、しばらくは何をしていたのでしょうか。 ―半年くらいは本読んだりしてダラダラ過ごしてましたね。急に指令が下ることもあるって聞いていたんで、あまり別のことやっててもなあ、って思って。でも、半年たって、さすがにお姫様助けに行かないとやばいよなあ、って思って。 魔王を倒すのにはどれくらい時間がかかったんですか? ―んー、動き出してからは1週間かからなかったですね。こつこつモンスター倒してからボスと戦いに行ったので。プレイヤーはしょっちゅう「にげる」を選んでいたんでね。それが結局レベルが低い、とかお金が足りなくて新しい武器が買えない、ってことになってしまったので、その手間を面倒くさがらなかったのがよかったですね。 魔王はいかかでしたか? ―そこまで強くなかったですね。僕がレベルしっかり上げていたのもありましたけど。楽しんでいる側面の方が強かったと思います。「あ、魔王って本当に火吹くんだ」みたいな(笑)。その後はお姫様を国に連れて帰って、結婚して、楽しく過ごしてました。3年前に離婚しちゃいましたけど。 え、離婚したんですか?差支えなければ理由を教えていただいてもよろしいですか? ―あー、いいですよ。やっぱりね、お姫様は僕じゃなくて、勇者という肩書きに惚れていたんですよね。世界を陰謀から阻止することに奮闘しているところ、というか。私を助けに来てくれた運命の王子様、みたいな。だから働かなくなった僕を見て幻滅していったのだと思います。その時は、王様から頂いた報酬だけで生活してたんで。あの時の僕はちょっとだらけすぎてましたね。 現在は何をされているんですか。 ―今はね、魔王と一緒に仕事してるんですよ。
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