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「変種な~……。変種って弱点属性とか部位がわハッキリかんねぇから、その点が面倒なんだよなぁ~」
遠望鏡を覗きながらマッドが呟くと、ロットが通信機の通話口を抑えながらフォローする。
「あのう、電気属性は『ネッシー』系のモンスターである以上は少なくともマイナスではないと思うんで……。むしろ、通常個体よりも、よく通るかもしれませんよ?」
ロットが言うと、エッジも決心がついたらしい。
「一丁やってみるか。娘の誕生日プレゼントを一回り立派なのにグレードアップさせる費用にはなりそうだ」
「お子さん、今おいくついでしたっけ」
「再来月で4歳だな。もう物心もついてきてるからよ、誕生日にもそれなりのもんを渡したいんだ」
通信機の通話口を抑えたまま、ロットが「あの……」と声を漏らす。
「となると、管理部には何て伝えます?」
「いーよ、いーよ、適当で。適当に返事して電話斬れ。聞こえなかったフリしとけ」
すうかりやる気に溢れているエッジは豪快な事を言う。
「『チェックしてませんでした~』」
マッドもマッドで、笑いながらモノマネをしている始末だ。
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