1章 リストに載ってないモンスターが出ました

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 それを聴いたロットは笑いをこらえるようにして「了解です」「じゃ、元のクエストだけやりますね」等と嘘をつき、さっさと通信を切ってしまう。  エッジは手持ちの弾丸をボウガンにセットしていく。 「目の前のモンスターを、一体一体片付けていくしかねぇよ。そうすりゃ、ロットみたいな若手は転職で有利に働くし、マッドだってもう一回フリーでやってく時に良い看板になるぜ」  準備を整えながら、班長としての威厳を感じさせながらエッジは続ける。 「少ない休日の中で働いて貯金も堪らなくてもよ、誇れる経験が出来ればそれでいいじゃねぇか」 「流石、バツイチ先輩は言うことが違いますね」 「今バツイチは関係ねぇだろ!」 茶化すように笑ったマッドを小突きながらも、頼もしさを感じさせるエッジだった。それをさらにロットが茶々を追加する。 「で、リーダーはどうするんすか?独立っすか?」 「バカ言え。学が無い俺に会社経営なんてできねぇよ」 背中を向けたまま、返事する。 「娘に喜んでもらえる話が一つ増える……それで十分だ」 「お、やっぱり深いこと言いますね」 「人間、バツイチにもなればこうも深いことが言えるように……」 「さっきから茶化すんじゃねぇよ」  笑いながら二人を小突いたあとに、エッジは表情を引き締める。
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