第2章 彼と歌

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 私は美術館に行くことばかり考えていた。どんなにいじめられようと前向きに考えられる。彼女らは苛立っているように見えた。  ついに美術館に行く日が来た。私は今にも踊り出したい気分だった。顔を洗い、髪を直し、少し前に準備しておいた白いパーカーとジーンズを着た。  私は彼の家に向けて自転車を走らせる。到着したのは集合時間の一時間前だけど気にしない。鍵がかかっていないドアを開ける。 「びっくりしたよ、早いね。なんだかんだ言って楽しみにしてるじゃないか。」  彼はそう言って笑った。手元を見ると掃除機を持っていた。彼は玄関の掃除をしていたようだ。 私も笑いながら言い返す。 「あなただって楽しみにしてるじゃない。」 彼の服装はファッション雑誌に載っていそうだ。 「僕は最初から楽しみだったよ。」 時間まで私たちはいろんな話をした。いじめの話や彼が最近はまっている電子オルガンの話をした。悲しいことは彼が居れば笑い話になるし、面白いことは彼が居れば私はいじめのことを忘れられる。
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