第2章 彼と歌

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 私はそわそわしながら車から降りる。彼は少し悲しそうでどこか苦しそうな顔を浮かべている。  私は強引に手をとる。私にしては上出来ではないかと内心で誉める。彼は驚きつつも、少し照れている。 「さあ、行くよ。」 「そんな急がなくても美術館は無くならないよ。」 私は後ろから視線を感じたが、気にしないことにした。私は今幸せだ。それを誰か知らない人に邪魔されるわけにはいかない。 美術館は外観が白く、とても清潔な感じがする。 中には外観に似合わないような奇抜な作品もある。 私たちは若いカップルみたいにはしゃぐ。 「この作品とか私は好きです。」 「この作品もいいけど僕はこっちかな。」 彼が選んだ作品は一人の老人が切り株に腰かけていた。
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