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私はそわそわしながら車から降りる。彼は少し悲しそうでどこか苦しそうな顔を浮かべている。
私は強引に手をとる。私にしては上出来ではないかと内心で誉める。彼は驚きつつも、少し照れている。
「さあ、行くよ。」
「そんな急がなくても美術館は無くならないよ。」
私は後ろから視線を感じたが、気にしないことにした。私は今幸せだ。それを誰か知らない人に邪魔されるわけにはいかない。
美術館は外観が白く、とても清潔な感じがする。
中には外観に似合わないような奇抜な作品もある。
私たちは若いカップルみたいにはしゃぐ。
「この作品とか私は好きです。」
「この作品もいいけど僕はこっちかな。」
彼が選んだ作品は一人の老人が切り株に腰かけていた。
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