第2章 彼と歌

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 休みが開け、文化祭当日がやって来た。三日間あり、皆浮き足立っていた。私には文化祭の事などどうでもよかった。楽しかった美術館の時のことを頭の中で反復していた。結局私は彼がいなければ生きることができないのだろう。  私は彼と周りたいと思い、朝早く彼の家に向かった。私の軽はずみな行為は私を苦しめ、彼を苦しめる。  美術館の時に彼の家の鍵を渡されていたため、中に入ることができた。いつも通り音楽が流れていたが、それに隠れるように泣き声が聞こえる。 「泣いてるの?」 私は泣き声が聞こえるリビングのドアを開ける。 私の予想通り彼は泣いていた。喉から声が漏れる。 「嘘。」 泣いていた彼が持っていたのは見覚えがある女性と二人で並んでいる写真だった。  いやはっきり言ってしまおう。  私の姉だった。
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