第2章 彼と歌

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 気づいたら私は校舎裏に来てしまっていた。文化祭で人が集まって来ないだろうと思ったのかもしれない。悪いことが起きた日にはさらに悪いことが起こる。  私はしばらくの間彼のことについて考えていた。もしかしたら彼は私のことを知っていたのかもしれない。知らないにしても予想はついただろう。私に隠していたのだ。私のために。  頭の中はもうぐちゃぐちゃだった。彼をまだ好きな気持ちと裏切られたという絶望感。 考えるのをやめよう。今考えても仕方ない。私は顔を上げる。  いつからそこにいたのだろう。私をいじめていた内の二人が立っていた。
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