2人が本棚に入れています
本棚に追加
「あんたこんなとこにいたんだ?」
私は顔を伏せる。弱者は強者と対等ではない。
「あなた達には関係ないはずでしょ。」
「もしかしてこの人のこと?」
彼女は一枚の写真を取り出す。私と彼が美術館に行ったときのものだ。
私は動揺しつつも頭を整理する。
「何でそれを?」
彼女らは口角を上げて笑う。
「私たち友達じゃん?友達が大人と付き合っていたら止めてあげないとね。」
もう一人もそれに賛同する。
「この人ちょっとかっこよくない?私が盗っちゃおうかな?」
自然に涙が出てくる。悔しくて、悔しくて、本当に情けない。私は感情のまま声に出してみる。
「私は彼が好きだ。だからあなた達には渡さない。」
最初のコメントを投稿しよう!