第2章 彼と歌
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「あなたたちなんかに渡さない。」 「お前生意気なんだよ。」 顔を二回はたかれ、蹴りが飛んでくる。痛い。とても痛い。でもこれが私だと安堵している自分がいる。やっぱり私じゃダメだな。 「やめてやってくれないか。」 蹴りが目の前で止まる。 涙が溢れてくる。私の大好きで生き甲斐である彼が立っていた。
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