私に恋人が出来ないのは魔王のせいだ!

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「おお、勇者よ。死んでしまうとは情け無い。今回は何故死んだのだ?」 「神父様、今回こそ私は結婚出来る筈だったんです!」 私は勇者として神よりギフトを授かっていた。そのギフトの名は『輪廻回避』。例え道半ばで倒れても神殿で蘇る事の出来る不死の祝福だ。 「昨日結婚の約束をしてくれた彼氏と今日式をあげると誓ってたんです!」 「あー、勇者よ。又騙されたと言う事ですか?」 「今度こそ本気でイケると思ってたのに!」 私は恋する乙女の20・・・ゲフン、17才と数十ヶ月。勇者である私の不死性を知る者は意外と多く、今回の様に殺される事度々。 「まさか祝杯の酒に毒が盛られるなんて!」 「・・・勇者よ、毒殺されるのこれで何度目かご存知か?」 「5回目ですが何か?」 「学習してないと言う事じゃないですか!!」 「彼とは愛し合ってたんです!きっと何かの間違いなんです!」 「勇者を殺せる毒が万が一でも間違いで酒に盛られる訳ないでしょう!いい加減現実を見て下さい!」 「そ、そんな。彼に渡した金貨100枚の結婚資金で豪勢に式をあげたばかりなのに」 「どう考えても結婚詐欺でしょうが!」 「いや、でも。私の純潔を結婚した後で捧げる予定が」 「御愁傷様です」 「何でだーーーー!!!?」 私は今日も恋人が居ない孤独を嘆く、酒場で。 「ぷはー!何よ、私の何がいけないって言うのよ!」 「ねえ、勇者様。飲み過ぎですよ。もうやめた方が・・・」 「結婚してる子は黙ってて!」 「ひい!」 酒場の主人と結婚している元看板娘に八つ当たりをしてしまう私。 「何もかも、全部勇者である私の所為なの?私は勇者辞めれば良いの?」 「そんな!勇者様が居なかったらこの街は今頃魔物の群勢に押しつぶされていたんですよ。街を救ってくれた勇者様は何も悪くありません!」 「じゃあ魔物が悪いのね?そうなのね?なら魔物を操っている親玉の魔王が全部悪いって事なのね!!」 「そうです、その通りです勇者様!魔王を倒せば魔物のせいで疲弊している国の王子様がきっと感謝して婚約してくれますよ!」 「その手があった!私、魔王倒す!!」 翌日。 「うー、頭痛い。水ー」 「勇者様、お水です」 「ありがとう。昨日は飲み過ぎて記憶が曖昧なんだけど、私何か言ってた?」 「ええ、魔王を倒すと仰ってました」 「魔王かー。何処にいるんだろう?」 実の所魔王が住む拠点が見つからないのだ。
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