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「まだ身体が慣れていないかもしれないので、無理をなさらないで」 「すみません。珍しいものが多いので、つい。でも、大丈夫そうですよ」  ポーズをとって笑ってみせた。すると、マギサも少し笑ってくれる。俺の言葉に興味を持ったのはパッセルだった。 「この世界のもの珍しい? イサムの世界はどんなところだったの」  彼女の大きな瞳が輝く。というか、いきなり呼び捨てか。驚かされたものの、俺はそのまま前に生きていた世界の話をした。 「科学っていう技術が発達して、たくさん便利なものがある世界だ。ここに比べれば、とても快適だと思うぞ」 「ここだって十分便利だよ」  パッセルが俺の手を握り引っ張っていく。抵抗する間もなく、連れてこられたのは大きな暖炉がある部屋だった。その周りには鍋や木べらなどの調理器具が置いてある。 「ここでご飯を作ることが出来るんだよ」  そう言って木べらで鍋の内側をなぞり、料理を作る真似事をした。ここでの最新が前の世界での何百年前にあった技術なんて。俺が呆れていると、さらにパッセルはベッドへ戻った。 「寝るところだって、こんなに柔らかいんだよ」  興奮気味に飛び跳ねるパッセルに置いていかれていると、マギサが察したように話しかけてくる。
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