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 翌日まだ頭の整理がつかないまま、いつもどおりの学校生活が流れるように進んでいってしまう。明人が私のことが好きというのは本当なのか。私は明人のことが好きだし、本当ならもちろん嬉しい。でも現状の仲良しな関係に満足していた私は、今まで付き合いたいなんて考えたこともなかった。明人が誰かと付き合うかもしれないなんてことすら考えたこともなかった。そもそも私はまだ高校一年生。彼氏なんていう存在は今までいたことがない。恋人になったらどうなるのだろうか、今とどう変わるのだろうか。明人がもし他の人と恋人関係になったら、やっぱり彼女ではない私は今みたいに仲良くはできなくなっってしまうのだろうか。そんな考えが頭の中をぐるぐる回っていた。  お昼休み。木暮ちゃんと明人が楽しそうに会話をしているのが見える。そういえば明人を遊びに誘うのは今日だとは聞いたものの、今日のいつなのだろう。もしかして、もう誘ってしまったのだろうか。だとしたら既にタイミングを逃してしまったことになる。その可能性に気づいてしまった途端に不安でいっぱいになる。その後も、ろくに授業に集中できないまま時間が過ぎていった。
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