恋する代償

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あとはみんなの知っての通り、所定の口座までに金を振り込んで欲しいとさ・・・ どう思うかい? 滑稽も滑稽、まさにピエロだろ。 僕にとっての初恋はサクラの手の平で転がされるだけだったわけだ。 相思相愛ではないかと信じていたのに・・・ Yがただのサクラだったと知った僕は悲しみに打ちひしがれ、Yとの思い出が走馬灯のようにながれた。 思わず悔しさに涙が流れたが、一時でも楽しかった、そして好きだった事実は変わらない。 僕はアルバイトでため込んでいたなけなしの貯金からきっかり言われた通りの金額を所定の口座に振り込むと、彼女に最後の書き込みを残した。 「今まで、ありがとう」 ・・・ もうその掲示板を見ることは無かったから、返信があったのかはわからない。 それでも僕は彼女が重病を克服し、元気に暮らしていると信じたい。
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