第一章 青

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目を覚ますと、珍しい色の宝石が二つ、私を見下ろしていた。 「………?」 ぱちぱち、とまばたきをしてから、右手で目元を擦る。いつもつけている白黒ストライプのリストバンドとまぶたが擦れ、はっきり目が覚めたところで再びそれとピントを合わせた。 鮮やかな、だけど水のように淡い虹彩。カラーコンタクトでも再現できないであろう繊細なその色は、しばし見とれる程だった。 「……古川……くん……?」 「あ、なんだ、起きてたのか」 呟くと、青い目──及びそれが収められている顔が遠のく。仰向けに寝ている私の枕元に立ち、逆さの状態で見下ろしていた状態から一歩引いたのだ。 起き上がり、乱れた髪に手をやりながらベッドから降りる。 身体測定に使う道具、壁には色々なプリント。そうだ、四時間目の数学の途中で具合が悪くなって、保健室に来たんだった。今は昼休みのはず。 「もう教室戻れそう?」 先生がいないかどうか室内を見回していると、扉の方に向かおうとした古川くんが声をかけてきた。
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