第一章 青

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「本当に大丈夫なの?」 ……が、後ろから尋ねられ、ペンを置こうとした時の手のように足が止まりそうになった。 「……大丈夫だよ。なんで?」 「行くなら保健委員と一緒に行けって先生が言ってたのに、構わず一人で行っちゃったし、実は無理してるんじゃないかと思って。途中で倒れたりしたらどうすんの?」 「高二にもなって、大げさだよ」 何かを勘づかれている。話題をそらそうと、立ち止まらないまま言った。 「ていうか、青い瞳綺麗だね。古川くんってハーフだったんだ」 「………っ!?」 空気を思いっきり吸いこんだような音がした。続いて、ガタガタッ、という耳障りな音。 踊り場に着いていた私は思わず振り返る。
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