4人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
嘗て見た正義の味方は隠した素顔を私に見せた。
いや素顔を隠す物が失われてしまったのだろう。
ただその表情は幼かった私に初めての感情を抱かせた。
目が覚める。
ここは自宅のベッドのようだ。つまりあれは全て夢だったのだろう。
そう思うと安心する前に残念にも思えてくる。
変な時間に起きたようでまだ外は真っ暗だ。
喉が無性に乾くので、水を冷蔵庫へと取りに行こうと片手を突いて体を起こす。
体重を支える腕にかけた途端、筋肉痛のような痛みが体を走る。
バランスを崩してベッドから転げ落ちそうになったその瞬間、ベッドの隣に佇む誰かに体を支えられれる。
「目が覚めたか。」
夢で私に何度と問いかけた誰かの声、
その方向に首を傾けるとそこには1人、灰色の眼以外全ての姿を隠した性別年齢不詳の白い服の誰かが突っ立っていた。
そして機械で変えたようなヘンテコな声で私に話す。
「ワタシはbecomerジャスティティア。黒金 守、君を正義の味方にする為保有者として選択した。」
この瞬間、私は正義の味方になる事になった。
最初のコメントを投稿しよう!