リョウ

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 しばらくはなんだかモヤモヤしていたけれど、アキラとのことが記憶から薄れかけていたそれから数日後。  リョウちゃんと二人でホテルにいるときだった。  二人で仲良くした後、リョウちゃんがシャワーを浴びに行って、私はベッドに寝転び、のんびりとビールを飲んでいたら。  ふとメールが来ているのに気付いた。  アキラからだった。 『俺、昔からヒロコのことが好きだったんだ、て分かった。だからヒロコにあんなにひどいことしたんだ。男って、好きな子のこといじめるんだよ』  私はビールを吹いた。  何事?  わけがわからなかった。  もう一度読み直してみる。  私は文面を反芻しながら、震えるような嬉しさが心の奥から込み上げてくるのに気付いた。  馬鹿男が。  本当にアキラという男は噂どおりの馬鹿男だったのだ。  後ろからシャワーを浴びたリョウちゃんが出てきたのを感じて、私は笑いを必死でこらえようと、指を噛んだ。  リョウちゃんにメールを見せて笑い合っても良かったけど、こんな面白いことはそうそうないと思った。  復讐のチャンスが訪れた幸運に私はなんとも我慢できなかったのだ。
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