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床に寝かされる間も、服を脱がされる間も。
私はアキラに抵抗できず、されるがままだった。
アキラの行為が早く終わればいいとそれだけを考えていた。
脚が開かれてからは必死で目を閉じて耐えた。
私より大きな身体が乗る恐怖に、私は凍りついたように動けなかったのだ。
『ねぇ……良かった?』
気がついたら、アキラが不安げな顔で私を見下ろしていた。
良いも悪いも分からなかったけど、私は小さく頷いてみせた。
良かった、とアキラはホッとしたような顔で応えた。
それからもすぐにアキラは私の胸に顔を埋め、愛撫し始めた。今度は私の身体も感じ始めた。
アキラはリョウちゃんよりはるかに手慣れていた。
リョウちゃん以上に私に手間をかけるアキラの抱き方を私は意外に思った。
――その夜から三日間、私はそのことが頭から離れなかった。
処女じゃないんだから、と私は自分で自分を突っ込んだ。
アキラになぜかもう一度抱かれたいと強く思った。そんな自分を知らない人間のように感じた。
次から私はアキラのアパートに頻繁に通うようになった。
言い訳にしたいからだろうか。
アキラとの行為を大したことじゃないと私は強く思いたかった。
そう。これは風俗と同じ。
私が快楽を感じるためだけの行為で。
アキラはそのための道具と一緒。
アキラを好きなわけじゃない。利用しているのだ。
フェラチオやオナニー、リョウちゃんとは決してしないこと。
何故かアキラ相手だと、なんでもできた。まるで娼婦のようだと自分でも思った。快楽を確かに感じていながら、私の中のもう一人の自分がそんな自分を冷めた目で見ていた。
アキラは行為の最中、私に目を開けるように何度も言ってきたが、私は無視した。
私は何故か目を開けることが出来なかったのだ。
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