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「あってるよ。ここに埋めたのはしっかりと覚えてる。文句ばかり言ってないで、手を動かせよ」
うだる暑さに苛立ちが増していく。
タイムカプセルを掘りに行こうと連絡を入れたのは俺だが、今日のことは小学生のころから決めていた。
あの約束を覚えていたのは俺だけじゃなかったはずだ。
彼らに対する不満を募らせていると、東条の腕が首に絡んできた。
「さっきは中学生に間違われてたくせに、生意気だぞ」
「それは関係ないだろ……」
からかい交じりに頭を叩かれ、小学生時代の面影を彼に重ねる。
昔から背の低かった俺は、こうして彼によくおもちゃにされていた。
別に虐められていたというわけではなく、いわゆる【いじられキャラ】だったのだ。
昔は今以上に小柄で気も弱く、いじめられなかったことが奇跡だったと自分でも思うほどだった。
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