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低学年までは男子よりも女子の友達の方が多く、今いる女子二人――木村と佐々木とはよく公園でおままごとをしたものだ。
彼女らにとっては、女友達と遊んでいるようなものだったのだろう。
あの頃は肩までの長さの髪に二人の姉のおさがりを着ていたため、よく女の子に間違われていたものだ。
今では女子に間違われることも無くなったが、きっと同級生たちにとってはあの頃の俺のままなのだろう。
「昔は女みたいなやつだったくせに。わたしはわたしは、なんて自分の子と呼んでたくせに、中学入ってからいっちょ前に【俺は】なんてかっこつけて使うようになっちゃって俺は悲しかったぞ」
こちらとしては消したい過去も、消せるわけもないらしい。
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