第二章 ジュリエッタ・マウス

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 プラチナブロンドが映えるセミロングの髪に巻いたタオルを整え、濡れたからだを包むバスタオルを片手で押さえながら、椅子に腰掛けた艶かしい足を組むと、ふわふわのスリッパをパタつかせ送られてきたメールを確認する。 件名:クリーンセンター管理職員、死亡案件 宛先:刑事部 刑事課ジュリエッタ・マウス 送信者:警視庁中央刑事局刑事部刑事課  なになに、事件当時管理事務所に居たのは、被害者ミハエル・ムーア三十歳と所長のブライアン・パーマー五十歳、そして新人のデヴィット・リンチ二十六歳。    被害者ミハエル・ムーアには窃盗歴あり。あまり真面目な人物ではなかったようね。    所長のブライアン・パーマーにも未成年時に軽犯罪の記録がある。    そして、新人のデヴィット・リンチは典型的なオタクみたい。    なんとも、楽しげな職場だこと。それに――。 「何これ? 今、話題のロボットによる殺人事件に、何故か臓器密売組織の資料も添付されているじゃない。いったい何処の素人が資料の担当者なのかしら?」
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