第二章 ジュリエッタ・マウス

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 呆れた表情で、からだに巻き付けたバスタオルの端を、若々しく張りのある胸元に滑り込ませ固定すると、自由になった両手でキーボードを軽やかに叩き、ジュリエッタは返事のメールを送信した。   件名:Re:クリーンセンター管理職員、死亡案件 宛先:警視庁中央刑事局刑事部刑事課 送信者:刑事部 刑事課ジュリエッタ・マウス 『資料内容を確認しました。しかし、組織犯罪が絡んでいるのなら、か弱いレディでは役不足ですわ。どうぞ対テロ機動隊ご自慢の九九九式戦車で踏み潰してあげて頂戴~(はあと)』  そして、即座に返信が返って来る。    ちぇっ。担当はAIか、じゃあ冗談は通じないわねぇ。詰んない! そんなジュリエッタの予想に反して、返事は一風変ったものだった。
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