TO-M＆ジュリー 青ざめる機械

第一話 ユートピアにて

　担当は最新型のシンプルな顔を持つ機種だった。嫌味のない落ち着いた色合いの背広を着た事務専用ロボットが男に話しかける。

「こんにちは、こちらは初めての様ですね。早速ご希望の職種をお伺いしましょうか」

　流石は最新型である。無駄が無く言葉使いも丁寧で、その音声も爽やかそのものだ。マネキンの様に無表情である事を除けばとても好感が持てる。

　しかし男は、少々味気ない気もしていた。職安などそう頻繁に訪れたくもないものだが、やはり人間の職員と世間話のひとつもしなければ、どうにも気が滅入ってしまう。