TO-M＆ジュリー 青ざめる機械

第一話 ユートピアにて

　男はおもむろに堅く閉ざしていた口を開くと、落としていた視線を目の前のアンドロイドに向け真剣な表情で訴えた。

「その、相談なんだけど、俺をロボットにしてくれる場所って無いものかな?」男の本気とも冗談とも取れない問いに、ロボットは「それは医療案内に該当する質問ですね」と、真面目に答えた。そうなのだ。どんなに高性能になろうとも所詮、機械なんてその程度の物言いしか出来やしないのだ。それなのに人間はますます機械に取って替わられて行く。そんな不条理な現実が尚更、男の心にくすぶる不満の炎に油を注いだ。