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「失せろよ。ギャングの真似っこか?僕は吉田太郎、29歳中卒。菓子パンを袋に入れる流れ作業を中学卒業してからずっとやっていたが流れ作業についていけなくてやめてお父さんがリストラされておかしくなったからさっき家出してきたんだ」
なんと、言語障害が治ってるではないか。スラスラと言葉が出るぞ。
そうか、僕は社会というものを意識していたために、人を意識し過ぎていたから
「こうでなければならない」という意識に縛られて緊張してたから言語障害に陥ったのだ。
僕は自然に戻った。僕はジャングルの王者だ。
ジャングルの王者吉田だ。
これだ。このストリート名でいこう。と思った。
「てめぇ面白いな。来いよ。」
彼らは僕の自己紹介をたいそう気に入ってくれてアジトに連れていってくれた。
アジトについた。
ライブハウスを改装したようなところで椅子がずらっと並び一番前中央に講壇がある。
人が溢れんばかりいる。ざっと300人はいるだろうか。
そのうちの7割がモヒカンだ。
驚いた。日本にこんなにモヒカンが生息していたなんて。
みんな立派なモヒカンをしている。
モヒカンといえばパンクの代表する髪型で反社会のシンボルだ。
そういえば子供の頃家に
「モヒカン族の最後」~著:ジェイムズ・フェニモアクーパー(早川書房)~
という本があったが、ごくり・・・こいつらもしかして・・
講壇にいる男(40代半ば、黒スーツにモヒカン)が演説をしている。
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