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終わらない夏休み
ある夏の日、僕、河名率はまだまだ終わらない宿題とまだまだ終わらない夏休みに直面していた。
ミーンミンミンミーン ミーンミンミンミーン
蝉の鳴き声がやけに気になる。
「終わらねぇ...。」
ミーンミンミンミーン ミーンミンミンミーン
ついでに蝉の鳴き声も止まらねえ...。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
こうして1ヶ月以上過ぎたが、やったはずの宿題が終わっていない。
「はぁ!?意味わかんねえ!」
待て、今日何日だ?
急いでカレンダーを確認する。
その日にちは......。
「7月21日!?」
そう、紛れもなく夏休み初日だった。
「う、うそだ...ありえねえ...。」
ミーンミンミンミーン ミーンミンミンミーン
夏休みが終わらないのはいいが、宿題が終わらないのはとても困る。
「た、大変だ!た、たた助けてくれぇ!」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「う、うーん...。」
目を開けると、自分の部屋のベッドの上だった。
「ゆ、夢かぁ...。」
ミーンミンミンミーン ミーンミンミンミーン
「率ー!朝ごはん冷めるわよー!おきてるー?」
「はーい!いま行くーっつーの!」
「率!乱暴な言い方しないで早く降りなさい!」
「むぅー...。」
まあよかった。僕の夏休みは守られた。
待てよ。今日何日だ!?
8月30日...。
9月1日登校日なのに、宿題一つも手をつけてねえ!
「率ー!早く来なさい!」
母さんの言葉にも答えられず、そのまま茫然と立ち尽くした。
そして僕は今わかった。
ここからが本当の、∞だと。
Fin
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