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あれから2週間が過ぎた。
今日は桐子の就活第1社目の面接と実技試験だとか。
昼間は爆睡の俺を気遣って、連絡は入れないよ、って言ってたけど果たしてどうだったんだろうか………と、考えているうちにもう少しで彼女がバイトに入る時間だ。
♪♪♪~
入店チャイムが響き、桐子がふわふわした髪の毛を揺らしながらやって来た。
目が合うと、右手の親指を立てて満面の笑みを浮かべている。
「即決、頂きました~!」
「おめでとう!!」
頭をわしゃわしゃと撫でると蕩けそうな笑顔。
聞けば、第一志望は件のひかりちゃんに紹介された会社だったそうで。
彼女からの推薦もあって即決となったらしい。
「合格おめでとう。これでもうここのバイトも終わりが見えて来そうだね?」
卒業まで、もう1年を切っている。
一緒に働けないのは少し、寂しいけど。
その代わり、家に帰ればいつも彼女が迎えてくれる。
しんみりした気持ちの俺に気付いたのか、桐子はふわりとした笑顔を見せてくれる。
そして、ゆっくりゆっくり、言葉を紡いでくれるんだ。
「店長さんと、バイトって関係は終わりですが、これからもずっと一緒、ですよ」、って。
[Fin. ]
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