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そしたらね、細長い何かがアパートのてっぺんから落ちていくんだ。
でも、地面に落ちたって瞬間に消える。
そしてまた、何かがてっぺんから落ちていくんだ。
怖かったよ。震えが止まらなかった。
でもなぜか、足が勝手にそこへと向かったんだ。
ゆっくりと、アパートの階段に足をかけた。
一段一段踏みしめて上るっている。ギシギシって音がする。
上りきって、黒い影のする方へ近づいていった。
でもなぜか、そのときには恐怖が薄れていたよ。
とうとう、その場所に来たんだ。
でも、何もなかったよ。
怖いっていう思いが幻聴や幻覚を見せていたんだと思った。
家に帰ろうと思って踵を返したら、
「あっ」
足を滑らせちゃった。
やばいって思った時には遅かった。
てっぺんから真っ逆さまに落ちていくんだ。
どうしようどうしようどうしよう死ぬ死ぬ死ぬ。
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