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上司からの粋な計らいなのだろうが。それは結局自分は要らないと言われているような物だ。
「あぁ、そうだ……知り合いから貰った物だが」
と最後に上司は1枚のチケットを渡してくれた。
「ゲームが好きだったんだろう。私にはよくわからんがおまけとしてとっておきたまえ」
「ありがとうございます」
…………
VRセンター エデン
「……そうですか、会社の上司から退職のおまけとして」
「えぇ」
結局、上司の懇意も無下にできなく。チケットを持って紹介所にきていた。
「上司も中々、粋な事をしますね。このチケットってそうそう配られてないのですが」
「はぁ」
そう言われ、医者の質問は続いていく。
「しかも、退職金で賄える金額になってる。いやぁいい上司につきましたな」
逆に言えば、退職金全てがこれに溶けたとも言える。
「ちなみに私のような人は? 」
「居ますよ。しかし貴方のような待遇は殆ど居ません。それほどこのチケットはレアなのです」
VIPチケット。一部の企業や資産家にしか配っていないらしい。
「ちなみに我が……元の会社は?」
「確か入ってたと思いますが、そもそもそういう会社はこういうの使えませんので、なんと言っても退職者は3年の期限ですからねこれ」
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