セカンドライフ

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セカンドライフ

 きっかけは単純だった、何十年前から言われていたAIに仕事を奪われる時代。ちょうどそこにいてもいなくていい中間管理職。 「首……ですが」 「……、君だけではない。他にも大勢が居なくなる、君もその中の1人というだけだ」  反論はしたい。……が結果を出せてはいない。大きな失敗もしてなければ大きな成功もしていなかった。 「岡部君の事は評価している」  そういい、通常よりも多めの退職金を提示される。それでも年金までは持ちそうにもないし、かといってごねても結果は変わらず金額が減るだけだ。  納得はできない、できないがそれを飲むしかなかった。 「岡部君のそういう所は好きだよ。まぁそうだからこの結果になったとも言えるが」  そう、今までお世話になった上司から言われる。言われるようにやり、できるように説得し結果としてここまではこれた。これただけだった。  退職届をその場で処理し、電子書類に印を押す。 「安心したまえ、君の代わりはAIだ」  それが何の安心になるのだろうか。どうでもいいことかどのみちもう終わったことだ。 「引き継ぎなどはもう済ましてある。今月分は有給で消化しておこう」     
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