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あれから100年経ったがあの人達はどうなっているのだろうか?もう未来の私に会っているのだろうか?それとも…
その日はシュナイダー教授達、以下タイムマシン実験に参加した人達の慰霊の日だった。慰霊の日といっても、一部の研究員しか知らないものであったために辺りには人の影は無い。
ヴェール研究員は夕方、大気の汚さにより綺麗にオレンジ色に輝く夕日のもと、慰霊碑の前に立っていた。慰霊碑の裏の海が濁ってみえた。慰霊碑といっても、人の骨が一つはいるのか、入らないのかぐらいの大きさのものである。ヴェールは慰霊の日になると毎年、タイムマシン研究衰退のことを心から悲しんでいた。
50年前、宇宙船との通信期日の日にシュナイダー教授、宇宙船からの通信を受信できていなかったのだ。その当時の研究員達は実験が失敗したと各々当たり前のように口にしたらしく、その影響からかタイムマシン研究をする人達も年々数を減らした。ヴェール研究員はそのような研究員のプライドが嫌いで会った。研究員達は成功しそうな、もしくは大きな業績を貰えるような実験のときにはその物事に皆、賛同するのに失敗したら即撤退…、罵り…。「赤信号みんなで渡れば怖くない」という言葉もあるが、皆研究員は小学生的思考なところがあるのだ。もちろんヴェールも小学生的思考ができるからこそ研究員になれたわけだが、ヴェールは、その思考法の悪いところを持つ研究員が多いと感じていた。ヴェールはそのような研究員にはなりたくなかった。だからこそ、それらの研究員に抵抗するかのようにタイムマシン研究を続けていた。
バックから鍵を出し、駐車場に行こうとすると、ふと慰霊碑の裏の砂浜の方から人が向かっているのがみえた。
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