第二十三話

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「興味を持ったからだよ。その子は学校で美奈子さんの話をしていた。私の他にも夜に町を歩いている美奈子さんを見た人は何人かいてね……結局、話していた人はどんどん不幸に襲われて町でもなんとかしないとって話になったんだよ」 「どうして興味を持っただけで?」 「さあ……それは私にもわからない。ただ……波長が合ってしまうんだろうね……それに美奈子さんは自分を助けてくれなかった世の中全てを怨んでいるのかもしれない……」 祖母が言うには美奈子さんが開いたドアや窓の隙間から入り込むのは自分が誘拐されたときの影響じゃないかと話した。 美奈子さんの恨みを考えれば、発狂した岡野も美奈子さんの祟りで狂ってしまい恐ろしい事件を起こしたんだろうと。 そしてもうこの世にはいないだろう、どこかで美奈子さんの祟りで想像すらできないような死に方をしただろうと言った。 私と巴は言葉を発することもできずに聞くしかできない内容だった。 「あの家を取り壊して神社を建てて祀ろうって話も出たんだけど、あそこに美奈子さんがいることを知ると誰も恐ろしくて壊せなかった。だから美奈子さんが殺された場所、となりの岡野の家を更地にして神社を建てて、美奈子さんの家の庭に祠を建てたんだよ」 それでようやく美奈子さんは夜の町を徘徊することはなくなったのか?
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